【ラ・ラ・ランド】は誰もが人生で経験するほろ苦さを美しく表現した1本

映画『La La Land』を鑑賞。

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見終わった後の率直な感想は、

え!?こんな終わり方!?

と拍子抜けした。

 

正直に言うと、想像していたおもしろさを得ることはなかった。

想像していたのは、

「夢を追う男女が出会う」

「挫折やすれ違い」

「一悶着の末に結ばれてみんなで歌い踊り騒ぐ」

というもの。

この通りに終わっていたら、「見にきて良かった!」と映画館を後にできた。

 

実際は拍子抜けしながら家に帰った。

しかしながら、ここ数日この映画のことをアレコレ考えている。

 

距離を縮め合った2人だけど、夢を実現させるため、没頭するために距離が離れる。

2人とも夢を実現させられたけど、その間に一方は違うパートナーを見つけて家庭を作ってしまう。

ひょんなことから2人は出会ってお互いに夢を掴んだことを確認しあう。

 

ラストのここがこの映画でとても苦い気分なんだけど、ライアン・ゴズリングが夫と店を出ようとするエマ・ストーンに向かって微笑みかけたことで、この苦さが良い苦さに昇華させられた。

 

お互いに、「本当は結ばれたかった」という思いと、「夢を実現させるための物理的・心理的距離のなかでそれができなかったのは仕方がない」という思いの両方を大人として理解していることを確認し合った瞬間だから。

 

自分の中にある相反する思いを大人として理解する苦い経験は誰にでもあるはず。みんながその苦さを胸の奥にしまって、今の人生を全うしている。

 

その苦さを素晴らしい音楽とハリウッドの美しい空の色で美しく表現した製作者は本当に良い仕事をしている。感謝。

 

音楽がとても良い。映画を観た後に何度も聴いている。


1 Hour La La Land SoundTrack Full Version | Full Edition | Oscar 89th Music Original Score WIN!!!

 

これを作ったデイミアンチャゼル監督の『セッション』を次は観てみます。