「ドラゴン桜」「インベスターZ」などの作者が贈る歴史マンガ。
主人公は帝大で数学を極める学生。
時は第二次大戦前。
列強に引けを取らない海軍を持つために、「巨大戦艦」を造るのか 「航空母艦」を造るのかを日本海軍は検討していた。
しかし、その巨大戦艦の計画は、
「戦艦同士での決戦が日本海軍の伝統!」
「後世に名を残すために巨大な戦艦を作りたい」
「巨大な戦艦が兵員に誇りをもたらす。」
といった合理性とはかけ離れた考えからできたもので、実際に造られたとすれば、
巨大すぎるがゆえの莫大な建造費、莫大な運用費がも想定されていた。
対して航空母艦による戦いは、第二次大戦前の世界ではまだ例の無い、新しすぎる考えだった。
しかし、航空機の技術発展により、その後の戦いにおける航空機の重要性が増すことを見越した山本五十六はこれを推す。
山本は「巨大戦艦計画」のボロを突くために数学者である主人公を海軍に招きいれて会議に向かう。
というストーリー。
”過去の例に固執する官僚集団”に合理性で立ち向かう様は、公務員として働く自分としてはとても痛快。
実際の歴史に「こんな天才が現れたら」というフィクションも織り交ぜた傑作です。
また、天才数学者の主人公の癖は”巻き尺で何でも測ること”。
ときには戦艦を、ときには女性のおっぱいも測ります。
天才とは恐ろしい。